[2005.08.31]
  生と死


 ▼Scientists probe anti-ageing gene(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4186324.stm


 人は,生と死の両方を探求して生きている,不思議な生き物だ。

quote:米国の科学者は,マウスが通常より30%長生きする遺伝子を発見した。ギリシャのマイナーな女神の名前を取ったそのクロソ(またはクロト)と呼ぶ遺伝子には,老化に関連するプロセスでさまざまな役割があると科学者は云う。クロソの活動を促進することで,オスのマウスは2〜3年長く生きるようになった。テキサス大学サウスウエスタンメディカルセンターの病理学助教授,黒尾誠氏らは,「これは老化防止の治療の,重要なひとつとなる」とサイエンス誌に話す。だがクロソには副作用があり,繁殖能力がさがり,糖尿病の素因をつくる可能性がある。科学者はその欠点を避けながら,クロソが生命を強化する方法を探している。

 死にたいかと訊かれたら,ほとんどの人は死にたくないと答えるかもしれないが,よくよく考えると,老いたくない,という方が正解なのかもしれない。ほとんどの場合は,老人は格好悪く,愚かで,忘れっぽく,思考能力がなく,周囲に合わせられず,性的魅力もない。「不老不死」と一緒にされることが多いが,老いがなければ死もないはずで,老いを止める遺伝子の発見によって,マウスが長生きしたというのは当然とも云える。まぁ,それを人間に対して行ったときに,どのようなカタチになるかはもちろんわからないのだけど。

 老いたくはない,でも死ぬことは,常に望みだ,と云う希望は,常に持ち合わせている。「人間は死ぬことを望んだので,戦争をする。自己保存の要求はきわめて深いものかもしれないが,死への欲情はさらに深い」とは,コーリン・ウィルソンの言葉だ。常に戦争は起こり,それが途切れることはない。それと同じく,死をすぐに実現する方法は自殺しかなく,戦争がなくならないのと同じで自殺もなくならない。クロソは,生への欲求の研究結果のひとつだが,すぐに死ねる遺伝子も,そのうちみつかるかもしれないネ。人はもちろん,それも望んでいるのだから。

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